サポチル
精神分析的心理療法研修プログラム
(関西・オンライン)
文献講読Ⅲ
「こころの発達心理学」
文献講読Ⅲ
「こころの発達心理学」
久保先生・狗巻先生
講師:(前半) 久保信代 (後半) 狗巻修司
会場:(前半・後半とも) オンライン
日時:第2土曜日16:30~18:30 (全10回)
定員:12名
受講料:正会員50,000円
その他60,000円
支払い方法:受講決定後、発行された請求書に基づき4月末までに納入
※正会員割引は2月の理事会までに入会が承認された方/前年度の会費を納められている方に限ります。入会手続未完 / 会費未納による割引非該当は、申込をされた方の責めに帰す事由となりますので、十分にご留意ください。
※やむを得ない事情で分納を希望される方は、研修プログラム事務局にご相談ください。
講師(久保先生)からの内容紹介
子どもが養育者との間に安定したアタッチメントを形成できることは、その後の発達に大きく影響することが長年の発達研究によって明らかにされています。その際に、養育者の応答性が重要であることも示されています。
2024年度の本セミナーでは、子どものアタッチメント改善を目的として養育者の応答性を高める介入プログラムのひとつ、Circle of Security Parenting (COSP:日本語版「安心感の輪」子育てプログラム) の書籍を講読します。この本は、本プログラムのコンセプトであるCircle of Security (安心感の輪) の視点について、養育者自身が手に取って学べるように、プログラム開発者が執筆したものです。この本の講読を通して、養育者は決して無力な存在ではないという著者らの力強いメッセージとともに、アタッチメント理論、子どものこころの発達、養育者の役割、関係性支援、COSPプログラム等について、皆さんと共に深く学んでいきたいと思います。
原著講読は大変かもしれませんが、著者らのダイレクトなメッセージを味わう体験を大切にしています。英語文献ですので1回につきおおよそ1章のペースで、じっくり取り組みたいと思っています。アタッチメントやCOSPプログラムの基礎知識を共有したうえで臨みたいと思いますので、事前学習として日本語の参考文献を読んでおくことをお勧めします。
使用文献
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Kent Hoffman, Glen Cooper, Bert Powell, Christine M. Benton (2017). 'Raising a Secure Child: How Circle of Security Parenting Can Help You Nurture Your Child's Attachment, Emotional Resilience, and Freedom to Explore', Guilford Press. ISBN: 978-1-4625-2763-2
参考文献
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数井みゆき・遠藤利彦(編著) 2007「アタッチメントと臨床領域」ミネルヴァ書房. *特に第1章.
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数井みゆき(編著)2012「アタッチメントの実践と応用:医療・福祉・教育・司法現場からの報告」誠信書房. *特に第2章.
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北川恵・工藤晋平(編著)2017「アタッチメントに基づく評価と視点」誠信書房. *特に第7章、第9章、コラム4.
講師(狗巻先生)からの内容紹介
共同注意は人間のコミュニケーションの基盤となる重要なスキルです。共同注意がどのようなプロセスで発達するのか、他機能とどのような連関がみられるのか、このスキルの獲得と使用に障害がある場合どのような支援が必要となるのか、などについて一緒に学び、検討できればと思います。そのため2024年度のセミナーでは日本の共同注意研究の第一人者である大藪泰氏の図書を取り上げます。
毎回のセミナーでは、使用文献の1〜2章ずつ取り上げます。初回は講師からセミナーでの狙い、講読文献選定理由、人間のコミュニケーションにおける共同注意がもつ役割などについて解説します。
使用文献
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大藪泰著『共同注意の発達―情動・認知・関係』新曜社
参考文献
各セミナー回に適宜紹介
文献講読Ⅲ
「こころの発達心理学」
榊原先生
講師:榊原久直
会場:オンライン
日時:第2土曜日19:00~21:00 (全10回)
定員:12名
受講料:正会員50,000円
その他60,000円
支払い方法:受講決定後、発行された請求書に基づき4月末までに納入
※正会員割引は2月の理事会までに入会が承認された方/前年度の会費を納められている方に限ります。入会手続未完 / 会費未納による割引非該当は、申込をされた方の責めに帰す事由となりますので、十分にご留意ください。
※やむを得ない事情で分納を希望される方は、研修プログラム事務局にご相談ください。
講師からの内容紹介
本セミナーでは子どもの精神分析的アプローチに隣接する、発達心理学や発達精神病理学、脳科学などの研究知見を紹介し、子ども個人のこころの発達や、子どもを取り巻く関係性の構成要因であり、育てる者・共に育つ者である養育者のこころの発達にも目を向け、“関係発達”や“関係障害”という視点から、発達の相互作用を捉えていくものです。
今年度は、子どもたちの早期の経験や特定の他者との人間関係(愛着関係)の特徴が、その後の人生にどのような影響をもたらすのか、またその影響を修正・変容させるために必要な要因とはなにかについて、長期間の縦断研究の知見を基に検討していきたいと思います。特に逆境的環境と呼ばれる関係性を早期に経験した子ども達に焦点を当てながら、人間の一生涯に渡る発達をロングスパンな視点から捉えることができればと願っています。
子どもや養育者を対象とした臨床を始めた初学者から、改めて発達研究を学び直したい経験者まで幅広い方のご参加をお待ちしております。
使用文献(必携図書)
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L.アラン・スルーフら(2022)人間の発達とアタッチメント-逆境的環境における出生から成人までの30年間にわたるミネソタ長期研究.誠信書房
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ジェニファー・ヘイズ=グルードら(2022)小児期の逆境的体験と保護的体験-子どもの脳・行動・発達に及ぼす影響とレジリエンス.明石書店